裁断さいだん)” の例文
旧字:裁斷
もうこの上は、虎船長の裁断さいだんをまつよりほかに、手段はなかった。このとき船長は、やっと両眼をぱっと開き、一座をずっと見まわすと
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あれから、私はおそくまでクラス・メートの家に行って、型紙の裁断さいだんの手つだいをしました。その家を出ると、雨でした。
軍国歌謡集 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
その地位を奪い取ってしまうものですから大いに恐れて、近頃は大分によく裁断さいだんを下すようになったそうです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
勅使に対しては、当然そうなければならない幕府の裁断さいだんは裁断として、他にまた、何等かの活路をつけて、御一命だけは、真際まぎわにお救いがあるかも知れない——。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
発光狼煙ろうえん、合図の火だ! 青空が一瞬間に突ん裂かれ、裁断さいだんされた趣きがある。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)