袖嚢かくし)” の例文
丑松は色のせたズボンの袖嚢かくしの内へ手を突込んで、人知れず銀貨を鳴らして見ながら、幾度か其雑誌屋の前を往つたり来たりした。かく、四十銭あれば本が手に入る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)