行態ぎょうたい)” の例文
行態ぎょうたいにも意外なことが多い。身舎むやの薄闇の中に、ひっそりとしずまっているだけのひとだと思っていたが、長らくの貧乏に鍛えられてきたせいか、呆れるくらいしっかりしている。
奥の海 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
こんな畜生道のけがれにまみれるくらいなら、いっそ死んだほうがましだと思い、露見した場合の泰文の仕置も覚悟で、白川の邸で行なわれている浅間しい行態ぎょうたいを日記にして上訴したが
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)