行届いきとど)” の例文
旧字:行屆
老女の指図はさすがに行届いきとどきます。が、それは、京姫の物言わぬ眼が、恐しく雄弁に老女を指図して居るのを、村松金之助は見逃しはしなかったのです。
家の中では幸い、金儲けの前祝いらしく、酔っ払った声が乱れ飛んで、庭への注意は行届いきとどかない様子です。
なまじ足手まといがなくて反ってよかったとしても、相手の警備の行届いきとどいているのに驚いている頃は、巧妙に作られた罠に陥込おちこんで、免れようもなく羽搏はばたいていたのでした。
十字架観音 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
平次の説明は、行届いきとどきます。
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)