行住座臥ぎょうじゅうざが)” の例文
室のまんなかに座を占めたところに、行住座臥ぎょうじゅうざがをもいやしくしない、普通ただならぬ武道のたしなみが読まれた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
むしろ行住座臥ぎょうじゅうざがが念仏の中に在るともいうべきで、百万遍ひゃくまんべんはおろか、無辺際むへんざいの念仏であります。しかしそれは数のことではなく、ただの繰返しではありません。
益子の絵土瓶 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
行住座臥ぎょうじゅうざがはなさぬ所の般若の面を脇にかかえて、甲板の上を初めはダクを打って歩いていたが、その足がようやく興に乗じて急になる時分に、帆柱の下で馬鹿囃子ばかばやしが湧き上りました。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
念仏の行は行住座臥ぎょうじゅうざがを嫌わないのだから、伏して申そうとも、居て申そうとも心に任せ時によるのだ。珠数を取ったり、袈裟をかけたりすることも、又折によりたいに従ってどちらでもよろしい。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)