“蠣浜橋”の読み方と例文
読み方割合
かきはまばし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女が如何いかに方角を悟らせまいとして、大迂廻だいうかいをやっていたかが察せられる。薬研堀やげんぼり、久松町、浜町と来て蠣浜橋かきはまばしを渡った処で、急にその先が判らなくなった。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
民谷銀左衛門たみやぎんざえもんに新之助という浪人者の父子おやこの家である。その父子の住んでいる浪宅は、つい近所の蠣浜橋かきはまばしの向うなので、日済金ひなしあつめのいちばん仕舞しまいに寄る事が例だった。
鍋島甲斐守 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歌舞伎座かいりょうざが大入ですとさ、姉さん御覧なすってと小歌が云う、そうだって見たいのねえと婢が云う、それから両女ふたりは話が栄え、蠣浜橋かきはまばしへ毎日お参りに行く事、髪結を取替た事
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)