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蝋塗
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ろぬり
ふりがな文庫
“
蝋塗
(
ろぬり
)” の例文
「
匕首
(
あひくち
)
の
鞘
(
さや
)
が一本、
蝋塗
(
ろぬり
)
のありふれた品で、あんなのは何處にでもありますが、——それが六七間離れた橋板の上に棄ててありました」
銭形平次捕物控:166 花見の果て
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼の
懐
(
ふところ
)
を出でたるは
蝋塗
(
ろぬり
)
の
晃
(
きらめ
)
く
一口
(
いつこう
)
の短刀なり。貫一はその殺気に
撲
(
うた
)
れて一指をも得動かさず、
空
(
むなし
)
く
眼
(
まなこ
)
を
輝
(
かがやか
)
して満枝の
面
(
おもて
)
を
睨
(
にら
)
みたり。宮ははや気死せるか、
推伏
(
おしふ
)
せられたるままに声も無し。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
默つて
母家
(
おもや
)
の方を伏し拜むと、心靜かに取上げたのは言ふ迄もなく短刀。
蝋塗
(
ろぬり
)
の
鞘
(
さや
)
を拂つて、懷紙をキリキリと卷くと、紋服の肌を
寛
(
くつろ
)
げて、左脇腹へ——。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曲者の遺留品といふのは、
蝋塗
(
ろぬり
)
の脇差の
鞘
(
さや
)
が一本だけ。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蝋
漢検準1級
部首:⾍
14画
塗
常用漢字
中学
部首:⼟
13画
“蝋塗”で始まる語句
蝋塗鞘