蜜柑畠みかんばたけ)” の例文
庭つづきになった後方うしろの丘陵は、一面の蜜柑畠みかんばたけで、その先の山地に茂った松林や、竹藪の中には、終日鶯と頬白ほおじろとがさえずっていた。
十六、七のころ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そこまで行くと余程温暖あたたかだった。停車場の周囲まわりにある建物の間から、二月の末でも葉の落ちないような、濃い、黒ずんだ蜜柑畠みかんばたけが見られる。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)