蛋白石オパール)” の例文
すばらしい光輝をはなつ紅玉ルビーが十八個、緑柱玉エメラルドが三百十個、これはみなきわめて美しい。青玉サファイアが二十一個と、蛋白石オパールが一個。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
綿にくるんで燦然さんぜんたるダイヤ、青玉サファイヤ紅宝石ルビー蛋白石オパール黄玉トパーズ土耳古石ターコイズ柘榴石ガーネット緑玉エメラルド……宝石の山! 金も白金も眼眩めくらめかしく一杯に詰まっている。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
彼女の蛋白石オパールのやうな青味を持つた眼の上をちらつと流れた薄い赤褐色を帶んだ栗色のその眸子、總てこれ等は彼女の胸に印象を刻んで、おぢけさせもした。
天鵝絨ビロードのように生えた青草の上に、蛋白石オパールの台を置いて、腰をかけた、一人の乙女を囲んで、薔薇や鬱金香チューリップの花が楽しそうにもたれ合い、小ざかしげな鹿や、鳩や金糸雀カナリヤが、静かに待っています。
地は饒なり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
竹やぶの細い葉を一枚一枚キラキラ強い金色にひらめかせながら西の山かげに太陽が沈みかけると、軽い蛋白石オパール色の東空に、白いほんのりした夕月がうかみ出す、本当に空にかかる軽舸のように。
田舎風なヒューモレスク (新字新仮名) / 宮本百合子(著)