蚯蚓腫みみずばれ)” の例文
綱利は甚太夫を賞するために、五十こくの加増を命じた。兵衛は蚯蚓腫みみずばれになった腕をでながら、悄々すごすご綱利の前を退いた。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「おや、ひじをどうなすって? 怪我をなすっていらっしゃるじゃァありませんか」折江は目敏めざとく、良人おっとの肘の下が蚯蚓腫みみずばれになっているのを見付けた。
秘められたる挿話 (新字新仮名) / 松本泰(著)
いや、実際竹馬は、あの日のけた頬に、もう一すじ蚯蚓腫みみずばれの跡を加えたようでございます。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)