蚯蚓脹みみずば)” の例文
というと、若僧は手拭てぬぐいを出して、此処ここでしょう、といいながら顔をいた。蚯蚓脹みみずばれの少し大きいの位で、大した事ではなかった。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
見ると一寸いっすんばかり蚯蚓脹みみずばれになっていた。涙がまたなんとなく眼の中に湧いてきた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼女の項には、恐らく背中の方まで深く、赤痣あかあざの様な太い蚯蚓脹みみずばれが出来ていたのだ。それは生れつきの痣の様にも見えたし、又、そうではなくて、近頃出来た傷痕きずあとの様にも思われた。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)