虚蒼あおぞら)” の例文
人の歩行あるいた路ともなく、夜の色さへ埋み消したが、見る/\垣をだわり軒を吹き廂を掠め、梢を鳴らし、一陣忽ち虚蒼あおぞらに拡がつて、ざつと云ふ音烈しく、丸雪は小雅を誘つて、八方十面降り乱れて
下町歳事記 (新字旧仮名) / 正岡容(著)