“蘭渓”の読み方と例文
読み方割合
らんけい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう言えば、吉左衛門や金兵衛のむかしなじみでもはやこの世にいない人も多い。馬籠の生まれで水墨の山水や花果などを得意にした画家の蘭渓らんけいもその一人ひとりだ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
やがて半蔵が平兵衛と共に案内されて行ったところは、二間ふたま続きの奥まった座敷だ。次ぎの部屋へやの方の片すみによせて故人蘭渓らんけいの筆になった絵屏風えびょうぶなぞが立て回してある。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
万一その火が五百二十からのかやをのせた屋根へでも燃え抜けたが最後、仏壇や位牌堂いはいどうはもとより、故伏見屋金兵衛が記念として本堂の廊下に残った大太鼓も、故蘭渓らんけいの苦心をとどめた絵襖えぶすま
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)