葡萄餅ぶどうもち)” の例文
保吉もまた二十年ぜんには娑婆苦しゃばくを知らぬ少女のように、あるいは罪のない問答の前に娑婆苦を忘却した宣教師のように小さい幸福を所有していた。大徳院だいとくいん縁日えんにち葡萄餅ぶどうもちを買ったのもその頃である。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)