落刻おちどき)” の例文
灯のつく頃に、だいぶ苦痛に疲れた怪我けが人は、もううめく力も失せたらしい。汐の落刻おちどきに向うのではないか。皮膚の色、吸う息のもよう、刻々と悪いほうへ変ってくる。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)