萩野はぎの)” の例文
萩野はぎのばあさんから、山嵐が、うらなり君のために赤シャツと談判をしたと聞いた時は、それは感心だと手をった。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「お妹は萩野はぎのさんといって、とって二十歳。美しくて優しくて、弁天様の申し子のようなお嬢さんだ」
銭形平次捕物控:126 辻斬 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
罵られているのは若い娘で、名は萩野はぎの、十九歳であった。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
符箋ふせんが二三まいついてるから、よく調べると、山城屋から、いか銀の方へまわして、いか銀から、萩野はぎのへ廻って来たのである。その上山城屋では一週間ばかり逗留とうりゅうしている。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この裏町に萩野はぎのと云って老人夫婦ぎりでらしているものがある、いつぞや座敷ざしきを明けておいても無駄むだだから、たしかな人があるなら貸してもいいから周旋しゅうせんしてくれとたのんだ事がある。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)