若干いくばく)” の例文
暁方あけがた近くになっておびただしい流星があり、そのうちの若干いくばくかはたしかに地上まで達したのを見届けたのだから、三日と八日の件は、隕石の仕業だと確信しておったのだ。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼二婆さんは余が黄色の深浅をはかって彼ら一日のプログラムを定める、余は実に彼らにとって黄色な活動晴雨計であった、たまた※降参を申し込んであまし得たるところ若干いくばくぞと問えば
自転車日記 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ヒョイと下げた頭、あんまりよく禿げているので、前からではまげも見えませんが、後ろには若干いくばくの毛があり、真新しい元結が、よく油で塗り固めた小指ほどの髷節をしかと締めております。
それは若干いくばくかの金の包みであります。