苗代田なわしろた)” の例文
明兆は慌てゝ、膝の下にかくしたが、名筆の力は恐ろしいものさ。巨勢金岡こせのかなおかの描いた馬が夜毎に抜け出して苗代田なわしろたを荒したという話を君は知っているだろう?
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
主人が眼をやっている方角へ、郎党の多賀能八郎たがのうはちろうも眼を放った。——だが、ただれた菜の花や、青い麦や、苗代田なわしろたの浅い水のほか、何も見当らないのである。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)