花崗かこう)” の例文
花崗かこうと耐火煉瓦とを四角に積重ねた美しい台の上に据えられて、晴上った日に照らされ、つぎつぎと花をささげる小さな曾孫たちを笑顔で見下されているようです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
とはいえ、事件を知悉ちしつした者の眼からすれば、この海賊的遠征隊の暴状は、花崗かこう岩の霊廟を石炭ショベルで破壊せんと企てた馬鹿さ加減以上であることは、明らかであった……
撥陵遠征隊 (新字新仮名) / 服部之総(著)
花崗かこうの山に上りつけた人は、一枚岩の、兀々ごつごつとした石山を想像するであろうが、常念岳は大天井岳と同じく、石片の乱次しだらなき堆積である、幾百千枚も積んで、上へ行くだけ痩削そうさくして来る
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)