船夫せんどう)” の例文
それを怪しいと見たのはおたがいのことで、ここまで乗りつけて来た小舟の船夫せんどうはまた、櫓を押すことを休めて、橋上をきっと見上げました。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ここで、駒井と白雲とが、二人の船夫せんどうをつれて、ムク犬をも乗組に加え、小舟でこの島に上陸を試むることになりました。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
房州で集めた船夫せんどうたちは、普通の船夫以上には毒にも薬にもならないが、その道にかけては安心でもあり、上陸して善良なる土着民となり得る。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
今日は七兵衛入道が、船夫せんどうを指揮して万端の座持をしてくれますから、自分が立入って働かなくてもよい。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
船夫せんどうを二人連れて、バッテイラで漕がせて、もう一枚、ムクを加えて行こうではありませんか
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この怪しい舟の船夫せんどうというのは小柄な男で、一人の乗客というのは頭巾をかぶった女のような姿の人。申すまでもなく、船夫はすなわち宇治山田の米友で、お客はとりも直さずお銀様でありました。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)