舟遊山ふなゆさん)” の例文
「えッ? 舟宿というていと、よく女の子をこっそりつれて、舟遊山ふなゆさんをやりに行くあの舟宿のことですかい」
緋縮緬ひぢりめんまたに挟んで、お座敷の座興に逆立ちさせられる芸子げいこもあれば、舟遊山ふなゆさんの旦那衆が、いやがる芸子をとらえて、舟ばたに逆立ちさせるなどという悪どい遊戯は
旅費日当を貰って聴きに来た講演をサボって、芸者を揚げて舟遊山ふなゆさんをした……その酒の肴に前科者を雇って、生命いのちがけの不正漁業を実演させたとなったら事が穏やかでないからな。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「大丈夫だよ。わたしが、こんな顔をしていれば、舟遊山ふなゆさんとしか見えやしまい」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ほう、燈が点いたか、舟の上で燈を点けると、舟遊山ふなゆさんをするようじゃ」
参宮がえり (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)