膿汁のうじゅう)” の例文
天然痘てんねんとうにかかった人の膿汁のうじゅうをとってそれを傷口に入れて免疫するという方法が行われていたということで、それが十七世紀頃にヨーロッパにも伝えられましたが
ルイ・パストゥール (新字新仮名) / 石原純(著)
自分もやがてはああ成り果てて行くであろう、膿汁のうじゅうの悪臭にすっかり鈍くなった頭でそういうことを考えた。半ば信じられない、信じることの恐ろしい思いであった。
いのちの初夜 (新字新仮名) / 北条民雄(著)
吉三郎の言葉は露骨なとげを含んでおりました。美貌の兄に対する憤懣ふんまんと、抑圧された情慾のハケ口が、場所柄も何も考えるいとまもなく、れてつぶれた膿汁のうじゅうのように、果てしもなく噴き出すのです。
臭わしい膿汁のうじゅうをしたたらせる
原爆詩集 (新字新仮名) / 峠三吉(著)