膂力ちから)” の例文
いまだ碌に御府内を見たことが無いというから同道して来たが、起倒流きとうりゅうの奥儀をきわめあるだけあって、膂力ちからが強いばかりで、頓と風流気ふうりゅうぎのない武骨者じゃ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼女みずから膂力ちからがあれば、法印のうしろからむしゃぶりついて肩先にも噛みつきたいと思ったようであったが、案外、雲助どもが、手足が利かず、たちまち敗亡して
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
それは皆先方むこうさまへ申し上げてある、山川廣様というお方に貴様の身の上を話して、学問もいたしません、剣術も心得ませんが、膂力ちからは有ります、人が綽名あだなして立臼たてうすの權六と申し
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もとより斬られる覚悟だから、しかわしだって斬られめえと思えば、あんた方親子二人がゝりで斬ると云っても、指でも附けさせるもんじゃアねえ、でっけい膂力ちからが有るが、御当家こちらへ米搗奉公をしていて
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)