腰板こしいた)” の例文
立派な仙台平せんだいひらはかまを着けてはいるが、腰板こしいたの所が妙に口をいて、まるではまぐりを割ったようである。そうして、それを後下うしろさがりにっている。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼はわざわざ戸棚とだなを開けて、行李こりの上に投げ出してあるセルのはかまを取り出した。彼はそれを穿くとき、腰板こしいたうしろに引きって、へやの中を歩き廻った。それから足袋たびいで、靴下にえた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)