能生のう)” の例文
やがてはるか能生のうを認めたるあたりにて、天色そらにわかに一変せり。——おかはなはだ黒く、沖は真白に。と見る間に血のごとき色はと流れたり。日はまさに入らんとせるなり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれども、汽車は、越前の三国、敦賀つるが。能登の富来、輪島。越中の氷見、魚津。佐渡。また越後の糸魚川いといがわ能生のう、直江津——そのどこへ売られたのか、捜しようがなかったのです。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)