孝孺はつい聚宝門外しゅうほうもんがい磔殺たくさつせられぬ。孝孺慨然がいぜん、絶命のつくりて戮にく。時に年四十六、詞に曰く
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
廖鏞りょうよう廖銘りょうめいは孝孺の遺骸いがいを拾いて聚宝門外しゅうほうもんがいの山上に葬りしが、二人もまた収められて戮せられ、同じ門人林嘉猷りんかゆうは、かつて燕王父子の間に反間のはかりごとしたるもの、これ亦戮せられぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)