いさ)” の例文
年齢や環境にいささかの貧しさもあってはならないのだ。慎み深い表情が何よりであり、雰囲気ふんいきは二人でしみじみと没頭出来るようなただよいでなくてはならない。
晩菊 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
私が、自分から「親友」などと呼びかけるのは、いささかキザだけれど、でも、彼には、あの変屈な金持黒住箒吉には、友だちというものは、この私一人しかいない筈なのだ。
蝕眠譜 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
鷺太郎は、素人の感も馬鹿にはならぬ、といささか得意で、先頭に立って歩いていた。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
と、いささか憤然むっとして答えた。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)