老来ろうらい)” の例文
彼は老来ろうらい耳が遠くなっていたので二人のあいだではあまり話は換わされなかったが、彼はときどき讃美歌を小声で口ずさんだ。それはわたしの黙想と善く調和した。
老来ろうらい量を節してはいても、もと/\下地したじは好きな方で、過せばいくらでも過せる国経は、今宵は自分が主人役として容易ならぬ人を迎え、粗相そゝうがあってはならぬと思うところから
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)