繼穗つぎほ)” の例文
新字:継穂
二人は肩を並べるやうに、中坂を同朋町どうぼうちやうの方へ降りたのですが、妙に話の繼穗つぎほを失つて、暫らくは默りこくつて居たのでした。
フラリとやつて來た八五郎は、えりの汗を拭いて、お先煙草を五六服、お茶をガブ呑みの、繼穗つぎほもないお世辭を言ふのでした。
繼穗つぎほもなくヌツと出たのは、南部坂下屋敷の裏門を預かる老爺、今まで手内職をして居たらしい埃を拂つて、凡そ胡散臭うさんくささうにガラツ八の間伸まのびのした顏を眺めやるのでした。
まだ火の入らない長火鉢の前、お茶をのんで煙草をふかして、煙草を呑んでお茶をすゝつて、五尺八寸の身體が、ニコチンとカフエーンで一杯になつた頃、何やら繼穗つぎほのない話を思ひ出したのでせう。