繪具ゑのぐ)” の例文
新字:絵具
それで周三は、毎日まいにち畫架ぐわかに向ツて歎息ばかりしてゐながら、定期ていきの時間だけちやんと畫室に入ツて、バレツトにテレビン繪具ゑのぐ捏返ねりかへしてゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
現に石鏃の入りたる儘の土器、小砂利の入りたる儘の土器、繪具ゑのぐを入れたるあと有る土器等の發見されたる事有るなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
其處で一月ほど何も思はず横になりたい。希はくは此處が何時のにかその市になつてゐるのだつたら。——錯覺がやうやく成功しはじめると私はそれからそれへ想像の繪具ゑのぐを塗りつけてゆく。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)