繧繝縁うんげんべり)” の例文
狩野永徳かのうえいとくのふすま絵にたたずみ、繧繝縁うんげんべり高麗縁こうらいべりの畳に目をみはり、みがき立てた金壁に気もすくみ、恍惚こうこつとした心地で白洲へ降りると
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もとは上ノかわやといって、繧繝縁うんげんべりの畳を敷いた、二ノ間付き八畳の厠で、地袋じぶくろの棚に、書見台と青磁の香炉が載っているという、格調の高い場所だったが、そこが、どういう都合でか
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「何故、繧繝縁うんげんべりにせぬ?」
吉良上野の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
こうして繧繝縁うんげんべりのうえに坐っていても、野に帰れば、たちまち牙をぎ爪をみがく性質のよみがえってくる者なのです。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
繧繝縁うんげんべりの疊まで敷いてあるのだといふ事だつた。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)