織徳しょくとく)” の例文
信長が志業を中央へべる始めに、その後顧こうこたる三河の家康を説いて、織徳しょくとく同盟を成功に導いた彼の功は信長も大きく買っていたらしい。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
極楽寺山の織田の本陣では、山上の伽藍がらんのうちで、織徳しょくとく両家の宿将が集まって、合同会議がひらかれていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
織徳しょくとく連合軍におわれた勝頼主従かつよりしゅじゅうが、そのしん、小山田信茂の岩殿山いわどのやまをたよって落ちたとき、信茂は、さくをかまえて入城をこばみ、勝頼一門が、天目山てんもくざん討死うちじにを見殺しにした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
べて、いささか寸功を挙げたが、御身におかれても、一躍、遠州の肥沃ひよくを御領土に加えられて、歓びこの上もない。併せて、織徳しょくとく両家の同盟のうえにも、一層、強固を加えたものと存ぜられる
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)