緩頬かんきょう)” の例文
しかし少しも逡巡しゅんじゅんすることなしに、承諾の返事をさせたのは、色糸のおちゃらが坂井夫人の為めに緩頬かんきょうの労を取ったのだと云ってもい。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それが、今では、人名辞典を開けば、すなわち「葛原勾当」の項が、ちゃんと出ているのであるから、故勾当も、よいお孫を得られて、地下でかすかに緩頬かんきょうなされているかも知れない。
盲人独笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)