編輯室へんしゅうしつ)” の例文
丸ビルの四階にある編輯室へんしゅうしつへ毎日一回は必らず顔を出すことになっていて、それを実行しないと編輯長の機嫌の悪いことを知っていながら三日も往っていなかった。
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
やがて、二階の応接間へ案内された。其所は風通しの悪い、蒸し暑い、陰気な狭い部屋であった。代助は此所ここ烟草たばこを一本吹かした。編輯室へんしゅうしつと書いた戸口が始終開いて、人が出たり這入たりした。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
葉子は二日おきぐらいに、病院へ行くと言っては出て行ったが、時には関係の婦人雑誌の編輯室へんしゅうしつをも訪れた。若い記者たちと銀座でお茶をんで来ることもあれば、晩飯の御馳走ごちそうになることもあった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)