綿細工わたざいく)” の例文
が、その中にたつた一つ、いくら鼻の先へ出してやつても、食はない本があると思つたら、それはおれの小説集だつた。覚えてゐろよ。綿細工わたざいくめ。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
眞つ暗な井戸端、手と手をさぐるやうに指切りをすると、綿細工わたざいくに血の通つたやうな、でもヒヤリと冷たい娘の掌が、八五郎の感觸に、異る興奮を誘ふのです。