紫磨金しまごん)” の例文
我朝はいふに及ばず、天竺てんぢく震旦しんたんにも是程さほどの法滅有るべしともおぼえず、優填うてん大王の紫磨金しまごんみがき、毘首羯摩びしゆかつま赤栴檀しやくせんだんきざみしも、わづかに等身の御仏なり。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
紫磨金しまごんの光の中に彼を抱擁するかと見たり、或る時は阿鼻地獄の獄卒の相を現じて、十八本の角の先から燃え上る炎の舌で、刹那に彼を焼き殺すかと見たりする。
二人の稚児 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
紫磨金しまごんの匂おだしき御座みざにして文珠のゑまひはてなかるらし
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)