紫琴しきん)” の例文
教祖は紫琴しきん女、良い女だ相ですが、これは四十を越した中婆さん、別當は赤井主水といふ立派な公卿侍くげざむらひ、祈祷僧は法來坊といふ、武藏坊辨慶のやうな大坊主、鉦を叩いてお經を上げて
「その紫教といふ御宗旨へ、フトしたことから私は深入りいたしました。耻かしいことですが、配偶つれあひにわかれて、長い間獨り身で暮して居る私は、宗祖樣の紫琴しきん女に打ち込んでしまつたので御座います」