納屋蔵なやぐら)” の例文
島役所の納屋蔵なやぐらは、さしずめ、彼の仮吟味所となった。郁次郎は毎日毎夜、東儀与力とうぎよりき羅門塔十郎らもんとうじゅうろうのふたりが交代になっての調べに、拷問ごうもんされ続けていたのである。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人のいるこの納屋蔵なやぐらのまわりへ、急ぎ足にきた人足が止まって
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊織は、広い土間と納屋蔵なやぐらの露地を掃いていた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)