“紀淡”の読み方と例文
読み方割合
きたん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこは峠の道を横に入った崖の中腹で、甲賀の山、河内平かわちだいら、晴れた日には紀淡きたんの海も望まれよう、風に鳴る静かな古松こしょうはんの木にかこまれている。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それでは紀淡きたん海峡に集めないで、一隊を豊後ぶんご水道にまわすことにしよう。くれ軍港をおさえるのには、これはどうしても必要だ。どうだ、リーロフ少将」
太平洋魔城 (新字新仮名) / 海野十三(著)
西の丸、本丸、楼台ろうだい、多門など——徳島城の白い外壁は、その鬱蒼うっそうによって、工芸的な荘重と歴史的なさびをのぞませ、東南ひろく紀淡きたんの海をへいげいしていた。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)