精粗せいそ)” の例文
元来食物の味というものはこれは他の感覚と同じく対象よりはその感官自身の精粗せいそによるものでありまして、精粗というよりは善悪によるものでありまして
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
色は黒色栗色鳶色カハラケ色等種々有りて表面の精粗せいそ一定いつていせず、製法は圖版中左の下に畫きたるが如し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
佐久間は曰く、「東洋道徳、西洋芸術、精粗せいそのこさず、表裏兼該す」と。彼らはこの点においておのずから一致す。しかれども横井の眼は専ら人に注ぎ、佐久間の眼は専ら物に注ぐ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
衣服の原料 石器時代の土器の中には表面にものし付けたるあと有るものあり。織り物には精粗せいその別あれど最も精巧せいこうなるは五分四方に、たて、ぬき共に十八あり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)