篤志家とくしか)” の例文
こういえば、白洲しらす砂利じゃりを掴んでまでも、徳松の無実を言い立てようという、勇気のある篤志家とくしかは容易に出ないでしょう。
たまには蒹葭堂けんかどう無腸子むちょうしのやうな篤志家とくしかも出なんだではないが、この地にとばりを下した学者といふても多くは他国から入りこんで来た者であつた。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
たとえば買い立ての帽子が夕立にあうところを助けてやったり、ある正直な男に無名の篤志家とくしかからほどこし物をもらってやったり、まあそんなことでした。
日本国の峠の数は大小一万ばかりもあるであろう。誰か統計を取って表を作って見る篤志家とくしかはあるまいか。
峠に関する二、三の考察 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
自分で死ねないとすれば他人に殺してもらうほかはないのだが、進んで殺人罪を犯してくれるような篤志家とくしかはいない。自分でそういう相手を作りださなければならない。
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
篤志家とくしかが現われて来ました。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
かういへば、白洲しらす砂利じやりを掴んでまでも、徳松の無實を言ひ立てようといふ、勇氣のある篤志家とくしかは容易に出ないでせう。
自分で死ねないとすれば、他人に殺してもらうほかないけれども、進んで殺人罪を犯してくれるような篤志家とくしかがいるはずはない。自分で殺してくれる人を作り出さなければならない。
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
もっとも夜分だけは隣の女隠居が来て泊ってくれますが、身寄りも国元もない藤枝家へ、進んで世話をしようと言うほどの篤志家とくしかもなかったのです。