筋斗きんと)” の例文
これは凡兆ぼんてうの付け方、いまだしきやうなり。されどこの芭蕉の句は、なかなか世間なみの才人が筋斗きんと百回した所が、付けられさうもないには違ひなし。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わたしはこの綵衣さいいを纏ひ、この筋斗きんとの戯を献じ、この太平を楽しんでゐれば不足のない侏儒でございます。どうかわたしの願ひをおかなへ下さいまし。
侏儒の言葉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わたしはこの綵衣さいいまとい、この筋斗きんとの戯を献じ、この太平を楽しんでいれば不足のない侏儒しゅじゅでございます。どうかわたしの願いをおかなえ下さいまし。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
星眼とこしへに秋波を浮べて、「悪のはな」の詩人が臨終を見る、なほ往年マドリツドの宮廷に、黄面の侏儒しゆじゆ筋斗きんとを傍観するが如くなりしと云ふ。(五月二十九日)