種蒔たねまき)” の例文
ただ「春風」とか「春の月」とかいう春という字のくっついているのにさらに春季の季題である「かすみ」「氷解」「燕」「桜の花」「種蒔たねまき
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
土のき返しから種蒔たねまき、苗代から施肥、収穫、脱穀、俵詰めまで、すべてかれらがやるのだそうである。
半之助祝言 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
この義明は、累代るいだい源氏の御家人と生れ、八十余歳まで生きのびたいあって、今、佐殿の旗挙げを見たうれしさ。……これで死んでもいい。落城の火の粉は、孫や子たちの出世の種蒔たねまきじゃ。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夕さりくれば一人いちにんもあらずなりにけり赤き鳥居の周囲まはり種蒔たねまき
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)