社会うきよ)” の例文
「いえ」と小枝は微笑しながら、「浮世の外ではございません。立派な浮世でございます。二人以上の人間が集まり住んでおりますからは、やはり社会うきよでございます」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「田沼が道徳的に乱した社会うきよを、越中守様が道徳的に直す、それだけでも意味があるよ」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
武士、町人、鳶ノ者、折助おりすけ婢女げじょ田舎者おのぼりさん、職人から医者、野幇間のだいこ芸者はおり、茶屋女、女房子供——あらゆる社会うきよの人々が、忙しそうに又長閑のどかそうに、往くさ来るさしているではないか。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)