破畳やぶれだたみ)” の例文
そしてまた元のように鏡台の前の破畳やぶれだたみの上に、つかれきった身体を投出したまま、この次は夜の部になるその日最終の舞台を待つのである。この間いつも二、三時間ばかり。
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
踊子はいつも大抵十四、五人、破畳やぶれだたみに敷き載せた破れた座布団ざぶとんの上に、裸体同様のレヴューの衣裳いしょうやら、楽屋着やら、湯上りの浴衣ゆかたやら、思い思いのものに、わずか腰のあたりだけをかくしたばかり。
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)