ちく)” の例文
椰子よりも遥かに細くすらりとした檳榔の木立がちくとして立つてゐる姿は仲々に風情がある。檳榔と並んで、ずつと丈の低い夾竹桃が三四本、一杯に花をつけてゐる。
夾竹桃の家の女 (新字旧仮名) / 中島敦(著)
まわりの円味がかった平凡な地形に対して天柱山と吐月峰は突兀とっこつとして秀でている。けれどもちくとかしゅんとかいうそばだちようではなく、どこまでもがたの柔かい線である。
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
椰子ヤシよりも遥かに細くすらりとした檳榔の木立がちくとして立っている姿は仲々に風情がある。檳榔と並んで、ずっと丈の低い夾竹桃が三、四本、一杯に花をつけている。