瞠若だうじやく)” の例文
余は彼の評論に就きて満足すること能はざるところあるにも係らず、其気鋭く胆大にして、幾多の先輩を瞠若だうじやくせしむる技倆に驚ろくものなり。
勝敗真に時の運とせば、吾人は、トルストイを有し、ゴルキイを有し、アレキセーフを有し、ウヰツテを有する戦敗国の文明に対して何等しりへに瞠若だうじやくたるの点なきや否や。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
世界第一の民政国たる米国に擬せんとせしが如き政治的冒険の花々しく、恐ろしく、快絶奇絶なりしが如く、当時の思想界の冒険もまた孟賁まうほんをしてしりへに瞠若だうじやくたらしむる程の勢ありき。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
夫れ物質的の文明は唯物質的の人を生むに足れる而已のみ、我三十年間の進歩は実に非常なる進歩に相違なし、欧米人をしてしりへに瞠若だうじやくたらしむる程の進歩に相違なし、然れども余を以て之を見るに