眼色がんしょく)” の例文
押しかえして催促すると、蔵人は光をためた金壺眼で用人の顔を仰ぎ見、重ねて言えば、抜討ちに討って捨てよう眼色がんしょくであった。
無惨やな (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
こうを渡る時、蛟竜こうりょう船を追う、舟中しゅうちゅうの人皆おそる、天を仰いで、嘆じていわく、我めいを天にく、力を尽して、万民を労す、生は寄なり、死は帰なりと、りょうを見る事、蜿蜓えんていの如く、眼色がんしょく変ぜず
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)