直刄すぐば)” の例文
その晩、お秀の家に金六を呼んで、八五郎とお秀と立會はせ、平次は血染の揚弓に川から拾つた細い直刄すぐばの匕首をつがへて射て見せました。
と見るや、あの直刄すぐばの匕首が火の中をサツと飛んで、縁側で呆然と見て居る鶴屋利右衞門の喉笛のどぶえへグサと突つ立つたのです。
「左樣でございます。若旦那は武家の出ださうで、自慢の短刀でございました。りの少ない、直刄すぐばの短刀で、昔あんなのは大將よろひの腰に差した、鎧通しだつたさうで」