盗風とうふう)” の例文
……と急に、どこをどう潜んで来たとも知れない、いやなさびしさが盗風とうふうのように葉子を襲った。船に乗ってから春の草のようにえ出した元気はぽっきりとしんを留められてしまった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)